旅行サービス JTB Asia Pacific Headquarters

AI応答とデータ活用で実現。複雑な多拠点運用を乗り越えるJTB Asia Pacific Headquartersのデジタル戦略

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プロジェクトの概要

導入前の課題
  • WebサイトとLINEが分断され、お客様の行動が見えない
  • 複数拠点でのお客様情報管理や振り分けが複雑
  • 緊急時の対応遅延と現地スタッフの負荷
課題の解決策
  • LINE×HubSpot連携で、行動を見える化しタイミング改善
  • 拠点別運用を見据えた柔軟な設計
  • AI応答+有人チャットでスピーディな対応を実現
導入後の成果
  • 提供する情報とお客様の関心とのマッチング精度が向上
  • 複雑だった拠点別対応の自動化・統一化を実現
  • お客様に「安心感」を提供し業務効率も向上

取り組みの内容

提供事業

JTBのグループ会社である「JTB Asia Pacific Headquarters(本社:シンガポール)」は、11の国と地域に拠点を有し、旅行者に向けた現地オプショナルツアー「MyBus」をはじめとした幅広い事業を展開しています。
「感動のそばに、いつも。」というブランドスローガンのもと、オンライン・オフラインを問わず、お客様の体験価値をより豊かにする取り組みを進めています。

◆企業サイト
https://www.jtbcorp.jp/jp/

導入の背景


今回インタビューに応じてくださったのは、JTB Asia Pacific Headquarters 経営企画部 Webマーケティングセクションのアシスタントマネージャー 庄司さんです。デジタル領域(Web・SNS・LINE、オンライン広告など)の戦略立案から実務までを担当されています。あわせて、お客様との接点を強化するためのマーケティングオートメーションの導入・運用をリードしています。

公式LINEアカウントはすでに使っていましたが、Webサイトとの接点が弱く、お客様とのコミュニケーションが分断されていることに課題を感じていました。
「旅行検討中~旅行中~旅行後」までを一気通貫でサポートできる仕組みを考え始め、その中でLINE連携の重要性が高まり、LINEツールを選定しました。

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庄司さん:
LINE管理ツールの比較検討を進める中で、「ツール単体の機能」ではなく、CRM全体の設計を起点に考えるようになりました。
単体で高機能なCRMや、LINEの機能拡張性を強く打ち出すツールは他にも多数ありましたが、私たちにとって絶対に外せない条件は、「Webサイト × CRM × LINE」の三位一体での連携と、そのカスタマイズ性でした。
その観点で各ツールを検証する中で、当初は別のツールも候補に上がっていたものの、最終的にこの要件を最も高いレベルで満たせると判断したのがLITTLE HELP CONNECTです。
結果として、土壇場で逆転満塁さよならホームラン。気が付いたときにはLITTLE HELP CONNECTに決めますという提案書をPowerPointで作成してました。(笑)

お客様の行動を「見える化」し、最適なコミュニケーションへ


以前はWebサイトとLINEのアクティビティがほぼ分断されており、LINE経由でつながったお客様
がどのような行動を取っているのか、どのようなニーズがあるのかを把握することが困難でした。そのため、配信内容やタイミングも“感覚的な判断”になってしまう課題を抱えていました。

こうした課題を受け、LITTLE HELP CONNECT を活用してLINEとHubSpotを連携。
LINE上での開封やクリックといったアクションを起点とした、Webサイト上での行動データが統合され、お客様一人ひとりの関心や行動を可視化できるようになりました。
これにより、「どんな情報が求められているのか」「どのタイミングで反応があるのか」を明確に把握できるようになりました。

庄司さん:
開封数やクリック数といったデータを正確に把握できるようになった結果、配信内容やタイミングを検証しやすくなり、A/Bテストや改善サイクルを回すことへの心理的・運用的ハードルが下がりました。
「感覚的な運用」から「データに基づいた運用」へとシフトできたことが、組織として最も大きな成果だと感じています。

現在では、これらの数値をチーム全体で共有できるようになり、クリエイティブの担当者、文章を考える担当者、配信担当者がそれぞれの立場からブラッシュアップを図るための指標として活用しています。
また、これまでメール中心だったコミュニケーションをLINEへシフトしたことで、より即時性の高いお客様対応が可能になった点を評価する声もありました。

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複数拠点における複雑な運用を“柔軟な設計”で効率化


アジア各国の拠点ごとにサポート体制が異なり、お客様の識別や問い合わせの振り分けが複雑化していました。加えて、LINEのお友だち情報と予約済みユーザー情報をHubSpot上で適切にマージできるかという不安もありました。
このような状況を踏まえ、テストアカウントでの検証を重ねながら、タグ設計・カスタムプロパティを使って国ごとのセグメントを自動化し、フォーム送信やタグ付けを用いた拠点別振り分け設計も実装
さらに、カスタムQRコードで流入元を追跡し、拠点別にリッチメニューを出し分ける仕組みを整えました。
複雑な運用を人手に頼らず管理できるようになったことで、運用効率とお客様の体験価値向上の両立を実現。
導入プロセスでは、LITTLE HELP CONNECTのカスタマーサクセスによる導入支援が、運用設計をスムーズに進めるうえで大きな支えとなりました。

庄司さん:
導入時から一貫して、こちらの業務背景や社内の運用体制まで理解した上で提案をしてくださった点が印象的でした。
単なる「ツール導入支援」ではなく、「どうすれば現場が運用しやすく、かつ成果につながるか」を一緒に考えてくださる姿勢が非常に心強かったです。時にはアイデアを頂けたことでただサポートして頂いているというより【一緒に作り上げている】という感覚に近かったです。
たとえば、複数拠点でのチャット通知やタグ設計の整理など、想定していなかった課題にも柔軟に対応していただき、スムーズに運用を軌道に乗せることができました。

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AI応答と自動化で、迅速で心地よいお客様対応を実現


旅行中のお客様へのサポートをより強化するためには、迅速な対応が欠かせません。
しかし、従来はメール返信が中心で対応までにタイムラグが生じていました。LINEを活用するにあたっても、各拠点がチャット機能を使いこなせるか、通知を受け取って迅速に返信できるか不安がありました。

そこで、チャット通知やタグ設計の整理を進め、AI応答と有人チャットを組み合わせた対応体制を構築。
一般的な質問への回答をリッチメニュー上で事前に提示したり、AI応答により自動化することで、お客様をお待たせする時間が大幅に短縮しました。
その結果、現地スタッフはより複雑な案件対応に集中できるようになりました。また、AI応答により夜間や休日でも一定の対応が可能になり、お客様満足度(CS)の向上にもつながっています。

庄司さん:
旅行前の心配事も、LINEを通して現地スタッフに気軽に質問できるようになったことで、旅を「楽しむ」ことによりフォーカスできるようになったという声をいただいています。
また、滞在中の計画をよりバラエティ豊かに立てられるようになったというお声も多くあります。
特に旅行中のお客様からは、「緊急時にLINEで現地スタッフとやり取りできたことで、スムーズに問題を解決できた」「確認や変更が旅行中でもスムーズに行え、安心感があった」といったコメントを多数いただいています。
これにより、“現地とつながっている安心感”がブランド体験の一部になったと感じています。

さらに、想定していなかった効果としては、「お客様のリアルな声を拾いやすくなった」点です。リアルタイムで、「無事に帰国しました。今回はサポートしてくださり、とても快適に過ごすことができました。ありがとうございます。」といった温かいメッセージをいただくこともあります。こうしたチャットのやり取りの中で、現地サービスに対するご意見や改善要望が自然に集まるようになり、商品改善やマーケティング施策のヒントにつながっています。

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LINE活用ポイント


日々の運用では、スタッフにもお客様にもストレスのないコミュニケーションを生む工夫が活かされています。

①LINEの受信設定を柔軟にコントロール
Welcomeメッセージ内で「配信内容を自分で選べる受信設定」を提供しています。
最初の段階でお客様自身が興味のあるテーマや欲しい情報を選べるようにしておくことで、その後に届くメッセージのミスマッチを防ぎ、より心地よいコミュニケーションを実現しています。


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②対応者別にアイコンを切り替えて明確に
また、LITTLE HELP CONNECTの機能には、送信者アイコンを切り替えられる機能もあり、現場で特に評価されています。
チャットが自動返信なのか、担当スタッフが対応しているのかがひと目で分かるため、お客様にとっては「誰と話しているのか」が伝わりやすく、安心して問い合わせができます。
管理側にとっても、誰が返答しているのかがアイコンで可視化されるため、対応の引き継ぎや、複数名での運用時の混乱防止に役立っています。

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今後の取り組み


当初は一部拠点のみでの運用でしたが、成果やお客様の反応が共有される中で、「他の地域でもLINE活用を進めよう」という動きが生まれたそうです。
これまでに築いた基盤を活かし、さらなる体験価値向上の実現に向けた今後の取り組みについても尋ねました。

Q.HubSpot、LITTLE HELP CONNECTを利用してやりたいことはありますか?

庄司さん:

今後は、お客様の旅の全体像に寄り添うコミュニケーション設計をさらに強化していきたいと考えています。
具体的には、「旅行前」「旅行中」「旅行後」という3つのフェーズごとに、LINEとHubSpotを連携させた自動化フローをより最適化することを目指しています。
たとえば、旅マエでは予約内容に応じた準備情報の自動配信、旅ナカでは現地サポートの強化、旅アトではアンケートや口コミ収集を通じた次回旅行へのつながりづくりなど、一人ひとりの旅行体験に合わせた最適なメッセージングを実現していきたいです。
また、HubSpotでのスコアリング機能や行動データをもとに、「旅行意欲の高いお客様」や「再訪意向のあるお客様」を自動的に抽出し、より的確なフォローアップや再アプローチにつなげる仕組みも検討しています。

Q.今後のLITTLE HELP CONNECTに期待したいことはありますか?
庄司さん:

LITTLE HELP CONNECTは、単なるLINE連携ツールではなく、現場とお客様をつなぐ重要なコミュニケーション基盤として大きな役割を果たしています。今後は、団体旅行や現地イベントなど、より多様なシーンでの活用に対応できるような機能強化を期待しています。
また、AIの役割がますます大きくなる中で、AIチャットボットの精度や柔軟性の向上にも期待しています。より多くのお客様にとって“安心して相談できるチャネル”として進化していくことを願っています。

Q.旅行業界の会社にLINEの活用法をアドバイスするとしたら、何かありますか?
庄司さん:

LINEは単なるメッセージ配信ツールではなく、“旅行体験全体を支えるコミュニケーションの基盤”として活用できると思います。旅行前の情報提供、旅行中のサポート、旅行後のフォローまでを一貫して行える点が最大の強みです。
特に海外旅行では、現地スタッフとつながれる安心感が大きな価値になるため、「お客様との接点の延長線上にLINEを置く」という発想が鍵だと感じます。

LITTLE HELP CONNECTとHubSpotの連携によって、「人の温かみ」と「デジタルの効率性」を両立できるようになりました。今後も、旅行者にとって“旅のそばにいるパートナー”として、よりスムーズで安心できる体験価値を提供していきたいと思います。
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LITTLE HELP CONNECTについて

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